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工業デザイナー向けの3Dスキャナの決定版か?「Eora 3D」

3Dスキャナを巡る動向

2014年頃より、3Dスキャナあるいは三次元測定機と呼ばれるジャンルの機械を展示会などへ足を運びながらウォッチしてきたのだけど、面白いことが今年は起こりそうだ。

3Dスキャナと呼ばれるものは、3次元的な形状を網羅的に読み込むことを想定したもので、形状データに加えテクスチャ(色)も同時に読み込むものがある。現実世界のカタチを読むことで3Dデータへ変換したり測定評価に使われる。

エンジニアリング用途を念頭に置くと、3Dスキャナにもっとも期待されるスペックは精度であることが多いとおもう。3Dスキャナが出てくる前は、3次元的に形状を測定するには接触式のプローブを物にあてることで、機械的に測定していた。現在も高精度な測定には接触式三次元測定機が活用されているが、接触式は1点1点の読み取りに非常に時間がかかる上、複雑な機構の機械だとそのオペレーションも難しかった。そこに出てきたのが、非接触式の3Dスキャナという感じ。多くの点を同時に読み込むことを可能にし、全体を網羅的に読むことが現実的になった。ノイズの少ないセンサが出てきたり、読み込んだ各点の演算処理を高速に行えるチップが手に届くようになったのが、3Dスキャナが実現したバックボーンだと想像する。

3Dスキャナの方式は様々あって、プロジェクタで光を当てたり、レーザー光を当てたりして、画像センサで読む「三角法方式」や、レーザーや超音波の反射してくる時間差を読む「タイムオブフライト方式」などがある。ものの内側も読めるX線を使ったCTスキャナがあったり(そんかわし、めちゃんこ機械が高い)、たくさんのカメラで同時に撮影し、画像から3次元モデルを生成するフォトグラメトリーという手法もある。フォトグラメトリーはテクスチャ重視(特に人物データを取ることにふっている)でCG用途という感じ。

各方式の一長一短はあるわけだけど、ここ数年でグーッとのびてきているのが「三角法」をベースにした3Dスキャナ。画像センサ(要はデジタルカメラ)の性能が一気に上がって来たからだと思うけど、0.01mm前後の測定精度をもつものが増えてきていて、機械の設計用途に開けてきた。価格も3000万円したものが次の年には2000万円になり、その次の年には1000万円になり、その次の年には同じ値段で精度がまた上がったりと進化のスピードがはやい。

また、精度ではなく、リアルタイムに読むことを指向したKinectをはじめとして、IntelのRealsenseなどの小型なやつの台頭も興味深い。

ありもの流用のスキャナ

いろいろ出てきているんだけれど、そうはいっても、3Dスキャナはやっぱ高い。エンジニアリング用途で使える高精度なやつとなるとほんと高い。車が買える(場合によっては何台も)。

価格と精度の2軸で3Dスキャナをマッピングしてみたものがこの図なのだけど、エンジニアリング用途をうたっているのは…ね、ほんと高くって。

そこに現れたのが、Eora3Dというスキャナ。これの設計思想は面白くて、センサもデータ処理もスマホのリソースを流用しちゃおうというもの。これまでの3Dスキャナは、センサも参照光源もデータ処理チップも全部専用に作っているようなものばかりだった。実際そうしないと、思うように性能を上げられないというのもあったと思う。それが、最近のスマホのカメラがめちゃくちゃよくなって、演算チップも性能がすごく上がって、という流れがあったものだから、ついに3Dスキャンにも十分使えるようになっちゃった。

Eora3Dは販売価格は5万円切るくらいのものだけど、精度という点では従来の3Dスキャナでいうと100万円クラスのものに匹敵する性能を秘めていそうである。発売されたら入手して、その性能を検証してみたいと思う。

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