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朝ごはんラヂヲVol.9に出演しました

人口減少の進行を前に、大阪の交通拠点のひとつ梅田という場所であっても、大きな危機感をもって先の展望を描いている、ということらしいです。そんな、ちょっと暗い未来に、もっとワクワクするものを残していこうという取組に関わったので、備忘録として書いておきます。

まず、大阪市の統計(2012)によると、梅田を擁する大阪市北区の昼間人口は30万人強ということみたいです。僕の故郷、香川県多度津町の人口が2万人強だから、その10倍を軽く超える。多度津町ってまあまあの町なのに。やっぱ梅田はすごい街なんだ。とはいえ、大阪府の人口が900万弱だから、それの3%くらいという程度。

そんな梅田はやはり阪急阪神グループの影響下で発展してきた街だというのは間違いなさそうで、その周辺には阪急阪神グループの不動産がたくさんあります。どれだけあるのか意識したことはなかったけれど、ハービスやアプローズタワーとかもそうだというのはあんまり考えたことがなかった。しかも、これから先も不動産開発に力を入れていくということで、まだ増えるという。その状況をつかむのにイメージしやすい数値があって、阪急阪神グループの不動産で働く人の人数予測です。

2015年10月 約10,500人

2017年4月 約15,000人(+4,500人)

2017年10月 約18,300人(+3,300人)

2022年 約30,000人(+10,000人〜)

なんと、3万人。さっきの話で、北区の昼間人口が30万人って話だったのに、その10%ですよ。今の倍くらいにまで増えていくようなんです。キャパが。

ちょっと待ってください。今もかなり先までも人口減少社会というのが濃厚なんです。その流れにものすごい逆行する数値ですよね。そんな簡単なわけ……うん、簡単じゃない。と阪急阪神グループも考えているのでした。その場所に魅力がなかけば、放っておけば人が減る。そういう前提で展望をかいているようでした。

それで立ち上がったのが2015年10月からスタートしている「阪急阪神ワーカーズサービス」というプログラムです。梅田という場所がもたらす、その場所だけの体験を提供することで、他の土地ではない「梅田を選ぶ理由」をつくるという意図があります。その体験のキーが「人のつながり」です。「人のつながり」こそが大きな魅力になると考え、人との接点をつくるプログラムが組まれています。主には「イベント」「メディア」「特典サービス」の3つの枠が仕込まれていて、それぞれ「イベントは人に実際に会う」「メディアは会わない人の存在を知る」「特典サービスはちょっと動いてみる」というアクションにつながるようになっています。ひとつひとつは小粒でも、これらが連動して常にサービスが新陳代謝しているというのがなかなかに大掛かりだなと思いました。こんな仕掛けができているのは、マンションや団地のコミュニティ支援サービスを行っているフォーシーカンパニーの存在があります。これからの梅田よりも先に、人口減少の問題にぶち当たった集合住宅郡やニュータウンは多く、そこでフォーシーカンパニーは多くの経験値を得ていて、それが梅田でも、ということのようです。

さて、このプログラムと梅田のこれからがどうなるのかは、かなり長い展望で見ていく必要があると思うのですが、今回僕はそのプログラムのひとつ「朝ごはんラヂヲ」への出演で声がかかりました。

「朝ごはんラヂヲ」というのは、いわゆる朝活なのですが、これが変わっているのが「オフエアーラジオ」という形式をとっていることです。実際にDJがいて、その進行に合わせて番組が進むという演出になっています。ミキサー卓もあるし、マイク・ブースもある本格的なものです。ただし、そのラジオが聞けるのが特定の店舗でのみ、という限定版になっているのが”オフ”エアーという所以です。内容は、普段あまり接点をもたない変わった事業をしている方を2名ゲストに迎えて、その仕事やその周辺について話ししていくというものです。過去に、graf服部さんと舞台総合演出・脚本・振付家の岸本さんという組合せの回があったり、咲美堂の池田代表と豆仁の中村代表という組合せの回があったりしていて、そんな仕事があるんだ!という驚きと発見、そして違う仕事の人たちの共通点や違う点が見えてくる面白さが味わえるものになっているそうです。

光栄なことに、変わった仕事をしている、ということでオファー頂きまして、自身の経験の棚卸しもかねて喜んで参加してきました。今回一緒したのが、オーダーメイド和菓子製造販売をおひとりで営まれている和菓子店 青洋(わがしみせ せいよう)http://wagasiseiyou.com/ の青山洋子さん。


青山さんは、元々美術の世界にいた方で、ある時お菓子の中に自身の表現ができるという確信をもって、お菓子の世界へ転身。京都製菓技術専門学校へ入学し、在学中に老舗和菓子店の老松と出逢い、のちに入社。10年にわたって、老松での販売〜製造を広く経験され、2012年に独立して「和菓子店 青洋」を開業。オーダーメイドの和菓子製作、和菓子教室や月に1度の和菓子販売を中心としながら学校機関への授業や展覧会の開催など多方面に活躍している方です。

僕自身も、コクヨという組織の中でいろいろ経験させてもらって、そののちに独立したので、その経緯に共通するものが多く、青山さんとはぜんぜん違うものをやっていても、聞く話それぞれがとても刺激的でした。

主には、「全てをひとりでやるということの、苦労といい部分」だったり「独立の背中を押した経験とは何か」だったり「依頼を受ける時、どのように要望をすくいあげ、着地させるか」だったりの話で、具体的な事例というよりは仕事へのスタンス中心の話になりました。

朝ごはんラヂヲは最初に数分のしごと紹介プレゼンがあって、その後フリートーク、最後に締めの言葉「朝ラヂワード」を共有し、記念撮影で終わりというシンプルな構成なんですが、30分くらいの時間はあっという間でした。青山さんとの共通の部分が聞きたすぎて、僕がしゃべりすぎました。反省。ただ、一緒したDJの田名部真理さんが熟練の進行で、うまくまとめていただいたので、きっちり収まりました。

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最後はDJ田名部さんの自撮りで、みんなと写真撮影。「いってらっしゃーい」の言葉でラジオが終了します。

青山さんや田名部さん、主催者みなさんとの会話も面白いことがたくさんあったんですが、具体的なところはここには書きません(というか、前置きを書きすぎて、もう備忘録的には満足しました 笑)。

僕はめちゃくちゃ楽しかったんですが、聞いてくれていた参加者がどう感じたか、また振り返って想像してみようと思います。少なくとも、こんな働き方なんてあるの?!と青山さんとの合わせ技で感じてもらえたんじゃないかなと思います。こんなプログラムが身近にあるなんて、梅田はやっぱすごい。まちづくりという大きい枠の中で、朝ごはんラヂヲがどんな役割を担っていくか今後も楽しみです。主催のみなさん、参加者のみなさん、よい機会をありがとうございました!またどこかで一緒しましょう。